ヘアメイクアップアーティストを探す求人媒体の種類と選定方法とは?

ヘアメイクアップアーティストを採用する際には、「どの層に求人をかけるか」、「どんな人に応募してほしいか」を明確にし、それに合った求人媒体を選定することが重要です。

この記事では、ヘアメイクさんを探すための効果的な求人媒体とその選定方法について詳しく解説します。新卒向けサイトや経験者向けの転職サイト、リファラル採用、ハローワーク、自社ホームページなど、各媒体の特徴・メリット・デメリットを理解し、最適な採用活動を進めましょう。

ヘアメイクアップアーティストとは?

ヘアメイクアップアーティスト(以下「ヘアメイクさん」という)とは、ヘアスタイリングとメイクアップを施す職業のことで、「ヘアメイクさん」と呼ばれることがあります。

ヘアメイクという仕事は、クライアントのイメージや要望に応えたり、撮影のテーマとモデルの印象を考慮して、目的にあったイメージを作り上げる技術職です。

メイクアップは資格がなくてもできますが、ヘアセットは美容師の資格が必要とされています。

以下の記事では、ヘアメイクさんからみたプロとして活躍するための学び方や仕事の探し方について解説していますので、参考にお読みください。
ヘアメイクアップアーティストになるには?学び方と仕事の探し方

そして、ヘアメイクさんの仕事場は「現場」と呼ばれ、主に芸能向けと一般向けに分かれます

まず、芸能向けの仕事にはTV局・雑誌・広告などの撮影が含まれ、一般向けの仕事には美容室・結婚式場・写真館などが含まれます。これらの現場のようなヘアセットやメイクアップを必要とする場面でヘアメイクさんは欠かせない存在です。

例えば、TV局では出演者に、雑誌や広告の撮影ではモデルにヘアメイクを施します。

一方で、美容室では結婚式の参列や推しのイベントなど、いつもより特別なお出かけをするお客様へのヘアセットやメイクアップをおこないます。結婚式場でおこなうヘアメイクは、挙式のためにドレスアップした新郎新婦にあわせて華やかで洗練されたイメージなのが特徴です。また、写真館では、宣材写真や家族写真など、お客様の目的に合わせたヘアメイクをおこないます。

このように、ヘアメイクさんは、クライアントの要望に応じて柔軟に対応し、プロの技術をもってヘアメイクを施す技術職です。

そのため、髪を扱うことを認められている美容師の資格を持っていることや、メイクアップに関して技術があることが求められ、技術的なスキルだけでなく、センスやクリエイティビティも重要な要素となります。

その他の現場は以下の記事でご紹介しています。

求人媒体の種類を把握しよう

一言で求人媒体といっても、その種類は様々です。

昨今における求人募集や応募は、インターネットやアプリが主流となっており、求人媒体は求める人材のタイプに応じて使い分けることが重要です。

そして、求人媒体には、広く一般的に活用されるものと、専門職に特化した求人サイトがあります。また、求人を探している側のニーズにも応えているため、求人をかけるときは、「どの媒体が自社に適しているか」、「自社が求めている人材はどの媒体を見ているのか」を見極める必要があります

以下に、ヘアメイクさんを採用する際に活用できる代表的な求人媒体の一例をまとめました。

【一般的な求人媒体一例】

求人媒体出会える人材・求める人材・媒体の特徴など
新卒専門求人サイト新卒生(未経験可)を希望する場合
既卒・中途専門転職サイト転職希望者、経験者を希望する場合
専門職の求人サイト専門の資格を保持していたり、技術者を求める場合
専門学校へ求人案内新卒生(未経験可)
学校からの推薦書が就くこともある
リファラル採用従業員や取引先などからの即戦力の紹介(自社の基準を満たしている者を求める場合)
ハローワーク公的な求人方法(既卒・新卒関係なく募集できる)
自社ホームページ縁故採用も含まれる

この記事では、特にヘアメイクさんを探すのに効果的な6つの求人媒体を詳しくご紹介します。各媒体の特性と適切な選定方法を知り、効果的な採用活動を進めましょう。

新卒採用サイト

新卒採用サイトは、新卒をターゲットにした求人サイトです。代表的なものには「リクナビ」や「マイナビ」があります。

いずれのサイトも、新卒向け採用サービスとして「2024」「2025」など、西暦が記載されているのが目印で、中途用の求人が掲載されることはありません

これらのサイトは、専門職の掲載は少ない印象ですが、まったくないというわけではありません。多くの学生に利用されているため、新卒の求職者に効率的にアプローチできます。

「リクナビ」と「マイナビ」の違いとは

求人を出す企業や雇い主としても、求人を検索する新卒生としても、一度は「リクナビとマイナビの違いってなに?」という疑問を持つのではないでしょうか。

このふたつの違いは「運営会社」です。
それぞれ別の会社が運営しているので、扱う求人の種類や特徴にも違いがあります

【新卒用「リクナビ」と「マイナビ」の違い一例】

求人媒体名運営会社特徴
リクナビ(+西暦表記※)株式会社リクルート・日本最大級の新卒採用サイトで、豊富な企業情報と長い歴史を持ち、掲載されている企業が幅広い・業界、企業の規模、職種、勤務地など詳細検索が可能・適正診断サービスがある・中途採用向けの「リクナビNEXT」もある
マイナビ(+西暦表記※)株式会社マイナビ・企業の基本掲載内容として、会社情報、採用情報、説明会情報などが掲載される・特集ぺージに掲載された企業は自社ページへの導線を設定できる・中途採用向けの「マイナビ転職」もある

※西暦表記は年度ごとに変わります

メリット

知名度が高く、多くの学生に利用されているため、幅広い新卒求職者にリーチできるでしょう。

デメリット

新卒のため、即戦力としては期待できない可能性が高いです。採用後の研修や教育に時間とコストがかかることも留意しておきましょう。

転職サイト

実績のある経験者を求めるなら、転職サイトを活用しましょう。

代表的なサイトには「マイナビ転職」や「Indeed」「求人ボックス」があり、即戦力となる求職者を見つけやすいです。

また、転職用求人サイトには、新卒向けや第二新卒向けの求人が掲載されることもあります。

メリット

専門的なスキルや知識を持った人材にリーチしやすく、即戦力としての経験者を採用しやすいです。新卒向けや第二新卒向けの求人を出すこともできます。

デメリット

求職者を獲得するために他社との競争が激しかったり、理想的な人材と出会えるまで長期化したり、採用コストがかかることに留意しておきましょう。

また、採用前の期待と採用後の現実のギャップが生じることもあります

美容専門の求人サイト

美容専門の求人サイトは、美容関連の資格を保持していたり、技術者を求める場合に有効です。ヘアメイクさんを探す場合、一番効率的な求人サイトといえるでしょう

昨今は、美容専門の求人サイトも種類が増えてきました。代表的なサイトは「HAIR WORKS」「リジョブ」「HOT PEPPER Beauty WORK」などがあげられます。

その他にも以下のような美容専門の求人サイトがありますので、それぞれの特徴を比較し、自社や自社の求める人材と相性がよいサイトを見つけられると採用活動がスムーズになるでしょう。

美容専門職の求人サイト一例

メリット

美容専門職の求人サイトは、新卒や既卒に関係なく募集をかけられるのが特徴でありメリットです。

デメリット

専門性に特化しているため、給与や労働条件が他社と比べられやすい可能性があります。ヘアメイクさんに「応募したい」と思ってもらえるように、自社の強みをしっかりとアピールすることが大切です。

専門学校への求人

専門学校に求人を出すことで、ヘアメイクについて学んでいる学生たちに見てもらえる可能性があがり、専門的なスキルを持った新卒者の確保につながります

都心部には多くの理容・美容・メイクアップの専門学校があります。その中でもヘアセットをおこなうためには国家資格となる「美容師免許」が必須となるため、「美容師国家試験受験資格」が得られる学校に求人を出すことで、ヘアセットもメイクアップもできるヘアメイクさんを採用できる可能性があがるでしょう。

【東京・神奈川の理容・美容・メイクアップなどの専門学校一例】

学校名所在地美容師国家試験受験資格可否
国際文化理容美容専門学校東京(渋谷駅より徒歩8分/国分寺駅より徒歩2分)
コーセー美容専門学校東京(王子駅より徒歩5分)
資生堂美容技術専門学校東京(十条駅)
東京モード学園東京(新宿駅より徒歩3分)
山野美容専門学校東京(代々木駅より徒歩1分)
横浜市立横浜商業高等学校別科(美容科)神奈川(根岸駅より徒歩21分)バスの場合は天神橋バス停下車より徒歩)
横浜理容美容専門学校神奈川(綱島駅より徒歩約15分)
横浜 f カレッジ(ビューティースタイリスト科)神奈川(横浜駅より徒歩3分)
湘南ビューティカレッジ神奈川(平塚駅より徒歩3分)
アーティスティックB横浜美容専門学校神奈川(横浜駅より徒歩7分)

メリット

ヘアメイクさんとしての専門知識や技術を持った新卒の求職者を確保できます。
さらに、教育機関との長期的な連携が取れれば、安定した人材供給が可能となるでしょう。

デメリット

卒業時期が限られているため、人材を欲しているタイミングでの採用が難しい場合もあります。また、新卒のため実務経験が不足していたり、試験の出来によっては採用者が美容師免許を取得できないリスクが伴います。

紹介してもらう〈リファラル採用〉

知人や従業員の紹介から採用することを「リファラル採用」といいます。
一般の求人媒体で募集をかけるよりも、信頼性の高い採用手法といえるでしょう。

メリット

紹介してもらうリファラル採用は、人柄やスキルを重視した採用が可能となります。

特に現場や専門学校のつながりだと、人柄やスキルを事前に把握できたり、即戦力となる技術を持ちあわせていることが多いのもメリットです。

デメリット

紹介者頼りになってしまうため、候補者の範囲が限定されて、求めているタイミングや人数が満たされないこともあります。

また、トラブルなどが発生した場合、採用者と紹介者との関係性に影響が出るかもしれませんので、知り合いが仲介していても就業ルールなどをしっかりと確認し、お互いに守ることが大切です。

ハローワーク

ハローワークは、地域に根ざした採用活動に適しており、求人広告を無料で掲載できるのが大きなメリットです。公的機関としての信頼性も高く、地域の求職者に対して効果的にリーチできます

地域密着型の採用活動をおこないたい企業にとって、ハローワークは非常に有効な手段となるでしょう。

メリット

ハローワークの利用は、特に地元で働きたい求職者を探している場合に有効です。さらに、無料で求人広告を掲載できるため、コストを抑えつつ広範囲に求人情報を発信することが可能です。

デメリット

ただし、求職者のスキルや経験が多岐にわたるため、ピンポイントでの採用が難しい場合もあります。また、求人募集後はハローワークと連携を取るため、時間を要することを念頭におき、計画的に採用活動を進める必要があります。

詳細な手続きや掲載方法については「ハローワークの求人の出し方」をご確認ください。

自社ホームページやSNSを活用

自社のホームページやSNSを活用することで、企業に興味を持った求職者に直接アプローチできます。特に、自社の企業文化やビジョンを伝えられるため、共感してくれる人を採用しやすいのが特徴です。

メリット

SNSの投稿やブログ記事を通じて、企業の日常や価値観を発信することで、求職者にとって魅力的な職場環境をアピールできます。これにより、企業に合った人材を引き寄せられるでしょう。

また、仲介会社などを通さないため、コストを抑えて広範囲に求人を公開できるのも大きなメリットです。

デメリット

求人情報の拡散力が限定的であることや、SNSの運用やホームページの更新が必要なため、継続的な管理と効果的な求人情報の発信をおこなうために、戦略的な運用が重要です。

求人に適切なコンテンツを定期的に発信し、求職者との接点を増やすことで、自社にフィットするヘアメイクさんを見つけやすくなる点は有効的ですが、その反面、手間ひまがかかることに留意しておきましょう。

活躍してくれるヘアメイクさんを採用するためには

雇い主として、ヘアメイクさんに求めることは「自身の技術とセンスを持って活躍してくれること」です。優秀なヘアメイクさんと出会うために、ここからご紹介する3つのポイントと7つの記事を参考にしてみてください。

求人媒体にこだわる

採用活動には時間がかかります。
求人媒体の選定、面接、入社手続きに加え、戦力として稼働してもらうために研修が必要な場合も想定しておきましょう。

以下の記事では、ヘアメイクさんを雇うにはどれくらいの時間がかかるのか、ベストなタイミングはいつなのかを解説しています。

求人のタイミングはいつ?

採用活動には時間がかかります。
求人媒体の選定、面接、入社手続きに加え、戦力として稼働してもらうために研修が必要な場合も想定しておきましょう。

以下の記事では、ヘアメイクさんを雇うにはどれくらいの時間がかかるのかを解説しています。

採用の流れ

採用活動をスムーズに進めるためには、事前に採用の流れを把握しておくことが重要です。トラブルを防ぐためにも役立ちます。

【採用までの流れ一例】

求人媒体を探す

募集をかける

書類審査をする

面接をする

採用通知を出す

入社の手続き

以下の記事では、ヘアメイクさんを雇うまでの採用の流れや採用方法を解説しています。

求人を出すときに企業が考慮すること

ヘアメイクさんを雇用したいときには、以下の3つの注意点を考慮することが重要です。
採用活動や雇用関係を結ぶ前に確認しておきましょう。

自社のために:「どんな人材がほしいのか」を明確にする

まずは企業にとってほしい人材像を明確にしましょう。
例えば、正社員か業務委託か、未経験可か経験重視かを決めるなど、自社が求める人材を明確にすることで、書類審査や面接の選考がしやすくなります。ブレることなくきちんと求める人材を採用することで、現場の仕事がスムーズに進行できるでしょう。

以下の記事では、優秀なヘアメイクを確保するために、採用活動でどのような点に気をつければよいのか、採用のポイントと注意点を解説しています。
→優秀なヘアメイクを確保するために、採用活動でどのような点に気をつければよいか?採用のポイントと注意点は現在準備中です。

従業員のために:勤務条件を明示する

勤務条件は、労働者が就業先を決定する際に非常に重要です。
基本的な給与・勤務地・仕事内容などの条件を明確にし、求人募集時に明記することで、労使で共通の認識を持つことができ、入社後のトラブルや不満を防ぐことにつながるでしょう。

以下の記事では、従業員と自社のために、ヘアメイクさんを採用するときの考慮点や注意点を解説しています。
→従業員と自社のために。ヘアメイクさんを採用するときの考慮点と注意点とは?は現在準備中です。

従業員と自社のために:採用にかかる時間と、採用後の収入(費用)を明示する

新しい人材の採用には費用と時間がかかります。
採用活動前に、企業にかかる負担や支出を明確にし、経営に支障が出ないようにしましょう。例えば、従業員にとっての収入となる「従業員に支払う給与」と、会社が負担する「見えない費用」を明確にしておく必要があります。

以下の記事では、求人から採用までヘアメイクを採用するときの費用を徹底解説しています。
→求人から採用までヘアメイクを採用するときの費用を徹底解説!の記事は現在準備中です。

従業員と自社のために:受け入れ体制、働きやすい環境を整える

昨今、会社組織における福利厚生や技術手当、研修やハラスメント対策の体制を整え、充実させることが、一昔前に比べてより強く求められるようになってきました

従業員にとって働きやすい環境を整え、せっかく採用した人材が離れないようにすることが大切です。現場の仕事が円滑に進むように、労働環境づくりに取り組みましょう。

以下の記事では、従業員からもクライアントからも“選ばれる”ためのポイントを解説しています。
→従業員からもクライアントからも“選ばれる”就業先になるためにの記事は現在準備中です。

自社が求める人材と出会わせてくれる求人媒体を見極めよう

ヘアメイクアップアーティストを採用には、求人媒体の選定が重要です。

新卒採用サイトは若い才能を発掘しやすく、転職サイトは即戦力を探すのに適しており、専門学校への求人やリファラル採用は、技術と信頼性を兼ね備えた人材を見つけるのに役立ちます。

その他にも、ハローワークや自社のホームページなど、求人媒体ごとの特色がありますので、自社と求めている人材像との相性を考慮し、適切な媒体を選定して、優秀なヘアメイクさんの採用につなげましょう