ヘアメイクアップアーティストの採用にはいくらかかる?求人から採用までの費用を徹底解説!

ヘアメイクアップアーティストを雇用したいと考えている企業や事業主の皆様にとって、採用活動にかかる時間や費用は大きな関心ごとではないでしょうか。

実際の採用活動にはどのくらいの費用がかかるのか、また雇用形態によってそのコストがどう変わるのかを知ることは、採用活動の成功に欠かせません。

この記事では、採用活動から長期的な雇用にいたるまで、費用に関連する事項を詳しく解説します。ぜひ、実際の採用活動にお役立てください。

人材採用には費用がかかる

まず、人材採用は、どの職種においても費用がかかることを留意しておきましょう。

特にヘアメイクアップアーティスト(以下、ヘアメイクさんという)は技術職であるため、一般的な人件費よりも高額になることも考えられます。さらに、所持している資格や経験、雇用期間や雇用形態によっては、手当や福利厚生などの追加費用も発生します。また、採用活動自体にも求人広告費や面接コストがかかるため、最初に全体のコストをしっかりと確認しておくことが重要です。

具体的にかかる費用

採用活動において、具体的にかかる費用は「選考前」「選考中」「採用後」の3つに分けられます。
それぞれ欠かせない内容と必要コストになりますので、採用活動が始まる前に内容を確認しておきましょう。

【選考前】

  • 求める人材を明確化する時間コスト
  • 求人広告を掲載する費用/人材紹介会社への手数料
  • 社内での採用管理システムなどの導入費

【選考中】

  • 採用イベントや説明会の開催費用
  • 選考過程の時間コスト(面接官の人件費)
  • 面接にかかるコスト(交通費、宿泊費など)

【採用後】

  • 内定者向けの研修費用/オンボーディングメンバーへの教育や研修
  • 社会保険や福利厚生の費用
  • 採用に伴う法的手続きのコスト

それぞれ詳しく解説していきます。

選考前の費用

ヘアメイクさんを採用する際、選考前にかかるさまざまな費用について確認しましょう。
まずは、求める人材像を明確化するために時間コストがかかります。この工程は採用活動のベースともなる部分ですので、必要以上に削減せず、丁寧におこなうことが大切です。

次に、求人広告を掲載するための費用や、求人サイトや専門誌に掲載する費用がかかります。
このとき、求人媒体は値段で決めるのではなく「求めているヘアメイクさんとマッチ度が高い媒体を使うこと」が大切です。

例えば、新卒生を採用したい場合は新卒専門サイトを、経験者を求めるなら既卒者が登録する転職サイトを活用してみましょう。また、人材紹介会社を利用する場合は、紹介手数料が発生します。

媒体に応募だけを依頼するのか、派遣などのエージェンシーを利用するのかで費用が異なってくるため、採用活動の初期段階で確認するようにしましょう。

求人媒体への支払い

求人媒体は、無料で利用できるものと有料のものがあり、さらに、先行して支払いをするものと、採用者が決定してから報酬として支払いをするものがあります。それぞれメリットとデメリットがありますので、違いを確認していきましょう。

まず、無料の方法には、ハローワークや自社サイト、SNSでの募集があります。
これらはコストを抑えつつ、広範な応募者にアプローチできる手段というメリットがあるものの、選考フローのフォローに物足りなさを感じるかもしれません。

一方、有料の求人媒体は、掲載費が発生します。
ただし、専門家による選考サポートが受けられる場合もあるため、はじめて採用活動をおこなう場合も安心ですし、人手不足で採用活動に時間がかけられない場合でも効率的に進行することが可能です。

このとき、求人広告の掲載費やサポート費は、媒体の種類や掲載期間により異なります。掲載期間は、2週間から1ヶ月など、求人媒体ごとに設定されており、延長には追加費用が発生します。
有料の求人媒体であっても、無料のトライアル期間を設けているところもありますので、お試し期間で実際に利用してみることで、今後採用活動で使うサイト選びの比較参考にもなるでしょう。

また、友人や知人からの紹介も、採用活動のひとつです。
よりコストを抑えたい場合は、求人媒体との併用を検討してみましょう。

求人媒体を利用する際は、予算とターゲット層を考慮し、最適な求人媒体を選ぶことが重要です。適切な求人媒体を選ぶことで、採用の質を高め、コストを最小限に抑えることが可能となるでしょう。

【求人ごとにかかる費用と特色一例】

媒体名料金形態期間金額特徴
Indeed一部有料無料掲載可能/有料オプションありIndeed が定める掲載基準、利用規約、使用制限が適用される場合、「初期費用」「掲載費用」「採用成功報酬」なし、募集から採用まで一貫して無料で利用可能。
タウンワーク先行支払い1週間〜オンラインと紙媒体、さらに発行エリアに寄って異なる。
(例)
オンライン
(東京都 千葉県 神奈川県 埼玉県)2週間 / ¥18,000
—–
紙媒体
(東京都 千葉県 神奈川県)
1週間 / ¥19,000~
埼玉県1週間 / ¥15,000~
特定エリアの人材採用ニーズにこたえる地域密着型メディア。地域によっては、発行していないところもあるので注意が必要。オンラインでは、掲載先都道府県別の一律価格となる。
ハローワーク完全無料申し込まれた求人の有効期限は、原則として翌々月末(※)となる。
※大卒等の求人の有効期間は、申込みをおこなった日にかかわらず、当該年度末まで。(求人申込み手続きの流れより)
無料ハローワーク(公共職業安定所)は、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関。全国にあり、仕事を探している人や、求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供している。
自社サイトなど完全無料自由(無期限)無料自社のホームページやSNSなどで採用活動をおこなう場合、掲載期間が自由で、料金もかからない。

※シャシンクエージェンシー調べ

人材紹介会社への支払い

採用活動を代行してくれる人材紹介会社を利用する際には、手数料が発生します。

通常、採用が成功した際に、採用者の初年度年収の一定割合が手数料として請求されます。一般的には10%から30%程度が相場とされていますが、職種や採用難易度に応じて異なるため、都度確認が必要です。人材紹介会社を利用することで、専門的なスキルを持つ人材や即戦力を効率的に採用できるメリットがある一方で、費用面も重要な要素ですので、企業は予算と採用ニーズを考慮して適切なサービスを選択しましょう。

採用管理システムの導入費

採用プロセス管理システムの導入費用は、採用活動を効率化するために必要な投資です。
このシステムを導入することで、応募者情報の一元管理や選考プロセスの進捗管理が可能になります。

さらに、面接スケジュールの調整なども自動化され、手作業によるミスを減らすことにつながります。ただし、導入には初期費用と月額使用料が発生するため、企業はコストと利便性のバランスを考慮して選ぶことが重要です。

選考中にかかる経費

選考中にかかる経費は、採用イベントや説明会の開催費や選考過程で発生する時間コスト、そして面接時に候補者に支払う交通費や宿泊費などが含まれます。

これらのコストは選考の進行に必要なものですが、効率的に管理しなければ費用がかさむ原因にもなります。それぞれの経費を事前に確認し、予算内で効果的な選考活動をおこなえるようにしましょう。

採用イベントや説明会の開催費用

採用活動の一環として、応募者へのアピールのために、採用イベントや説明会を開催することもありますが、その際は、会場費・スタッフの人件費・資料作成費。広告宣伝費などがかかります。

これらのイベントは、企業の魅力を応募者に直接伝える機会となり、多くの応募者と接点を持つことが可能です。しかし、これらのコストは決して軽視できないため、事前に費用対効果を考慮し、予算内で実施することが求められます。

選考過程の時間コスト

採用活動において、「時間コスト」がかかることにも留意しなくてはなりません。
代表的な例は面接官や採用担当者が選考活動に費やす時間があげられます。面接・書類選考・応募者対応などにかかる時間は、他の業務に使えないため、実質的なコストとなります。

特に、複数の面接や長期間の選考プロセスが必要な場合、時間コストが増加するため、効率的な管理が必要です。見えにくい時間コストに配慮することで、選考プロセス全体の費用を削減できるでしょう。

面接にかかるその他のコスト(交通費、宿泊費など)

昨今の面接手段は、対面面接とオンライン面接があります。
採用活動では、それぞれの面接にコストがかかることを留意しておきましょう。

まず、対面の面接には、場所代がかかるのが一般的です。
例えば、自社が保有する場所以外で面接する場合、会場の手配費が発生します。さらに、応募者や面接官の交通費・宿泊費・食事代などの費用がかかるでしょう。特に遠方からの応募者や複数回の面接が必要な場合、これらのコストは増加する傾向にあります。企業がこれらの費用を負担することで、より多くの応募者が参加しやすくなり、優秀な人材を採用できる可能性が高まります。

一方、オンライン面接では、会場の手配費や交通費などはかからず、非常に手軽な方法ですが、オンライン面接を実施するための機材やインターネット通信費などが必要です。

これらのコストは、予算に応じて負担範囲を明確にしましょう。

選考後にかかる人件費

人材を雇用した後には、継続的に人件費が発生します。

正社員・アルバイト・フリーランスなど、雇用形態に応じて支払う賃金は異なりますが、ヘアメイクさんの場合、経験やスキルによってさらに変動することが一般的です。ヘアメイクさんに、長く、気持ちよく働いてもらうためにも、適切な評価をおこない、昇給・ボーナス・諸手当などを検討することが重要です。

また、採用した人材が入社する前や現場に慣れるまでは、内定者研修やオンボーディング教育も必要となるため、選考後の費用としてしっかり計算しておきましょう。

人件費の項目

人件費には、基本給の他に、交通費や住宅手当などの各種手当、賞与、健康保険、厚生年金など企業が負担する社会保険料、福利厚生費用などが含まれます。
パートやアルバイトの場合は、時給で計算したり、扶養からでないように考慮する必要があります。

フリーランスの場合は、諸々を含んだ金額と同等の報酬を設定し、日毎や現場ごとで支払う契約をおこなうのが一般的です、

ヘアメイクさんの稼働時間や労働条件とこれらの項目をしっかりと確認して、予算に反映させることが必要です。

【人件費の項目一例】(企業ごとの契約内容に基づく)

  • 基本給(月給・日給・時給などの固定報酬または成果報酬)
  • 各種手当(交通費・住宅手当など)
  • 賞与(ボーナス)
  • 社会保険料企業負担分(健康保険、厚生年金など)
  • 福利厚生費用(食事補助、通勤手当など)
  • 手当(契約内容に基づく)
  • 社会保険料企業負担分(健康保険、厚生年金など)
  • 福利厚生費用
  • 契約内容による追加費用(交通費、材料費など)

人件費の計算に必要なもの

人件費を計算するためには、以下のものが必要になります。
企業として用意するものだけではなく、従業員に用意してもらうものもあるので注意が必要です。もれなくきちんと取り揃えて、正確に計算できるようにしましょう。

従業員の情報

人件費を正確に計算するためには、従業員の情報や勤怠状況を正確に把握する必要があります。
まずは、従業員の家族の扶養状況や社会保険の加入状況、通勤ルートなどを確認し、必要に応じて証明書や、給与の振込口座を用意してもらいましょう。

【従業員情報の一例】

家族の扶養状況、社会保険の加入状況社会保険料算定にかかわる
通勤ルート交通費にかかわる
美容師免許や各種資格証明書など業務をするうえで必要となる
振込先給与振込のために必要となる
H5勤怠状況を証明するもの

労働部分に関しては、勤怠管理表やタイムカードなどで実際の労働時間を把握し、基本給を計算します。そのうえで、基本給をもとに、残業代やボーナスなどを計算します。
このとき、基本給と残業代や休日出勤などは計算方法が異なるため、毎月、基本給と分けて明確にしておかなければなりません。
これにより、正確な給与支払いと社会保険料の計算が可能になります。

人件費の割り出し方

人件費の計算の仕方は、ヘアメイクさんをどのような雇用形態で雇うかによって異なります。
実際の金額は、経営状況やヘアメイクさんの経験年数などを考慮して決定していきましょう。それぞれ計算式を用いて説明していきますので、実際の人件費計算の参考にお役立てください。

正社員

正社員の人件費の計算は、基本給・各種手当・賞与・社会保険料・福利厚生費用などを含めた総額で考えます。計算式は次のとおりです。

  • 計算式

人件費 = 基本給 + 各種手当 + 賞与 + 社会保険料企業負担分 + 福利厚生費用
正社員の人件費には、基本給に加えて、交通費や住宅手当などの各種手当、年に数回の賞与などが含まれます。また、企業側が負担する社会保険料や福利厚生の費用も計算に加える必要があります。

契約社員

契約社員の人件費は、正社員と似ていますが、賞与や手当がなかったり、異なる査定基準を設けている場合があります。

  • 計算式
    人件費 = 基本給 + 手当 + 社会保険料企業負担分 + 福利厚生費用

契約社員の場合、賞与や手当が少なかったり、支給されないことも多いのが特徴です。

基本給に加えて、社会保険料や福利厚生費用は正写真同様に算出します。契約期間によっては手当が変動する場合もあります。

パート・アルバイト

パートやアルバイトの給与計算は、時給制や日給制がほとんどです。
また、職種やスキルなどにより、手当がつく場合もあるので、人によっては月給制よりも複雑になる可能性もあります。労働時間をもとにした人件費計算式は次のとおりです。

  • 計算式
    人件費 = 時給 × 労働時間 + 社会保険料企業負担分 (該当する場合)

パートやアルバイトの場合、基本的に時給と労働時間を掛け算して月の総額を計算します。

すでに家族の扶養に入っている主婦(夫)や学生の場合、社会保険に加入するケースは少ないため、社会保険料の企業負担はほとんど考慮しませんが、特定の条件下で加入する場合もあるので注意が必要です。また、福利厚生がある場合は、その費用も考慮します。

業務委託・フリーランス

業務委託契約の場合は、固定報酬または成果報酬で計算します。

  • 計算式
    人件費 = 固定報酬 (または成果報酬)

業務委託契約では、固定報酬が多く、労働時間に関係なく決まった金額を支払います。
また、成果報酬型での契約もありますが、社会保険料や福利厚生の提供は企業の負担にはなりません。

手当の計算は注意が必要

先述したとおり、各種手当の計算には注意が必要です。
特に、「残業手当」や「休日手当」の計算には注意しましょう。

一般的な勤務体系の残業代の計算方法

まず、一般的な勤務体系でお勤めしている人は、週5日、1日8時間勤務が基本となります。
また、日本では法律により、法定労働時間は週40時間を超えないように設定されていますが、ヘアメイクさんの現場となるイベントや撮影では、変則的なシフトや、状況に応じて長時間勤務が求められることもあるでしょう。業務委託やフリーランスでない場合は、勤務時間の管理が重要となりますので、労働時間を明確に記録し、残業が発生した場合は適切な賃金を支払う必要があります。

残業代の計算に用いる「割増率」とは

残業代を計算するときは、「割増率」を使用します。
これは、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働に対して、通常の賃金に追加して支払われる割合のことです。通常、法定労働時間を超える残業には25%の割増率が適用されます。

深夜労働(午後10時から午前5時まで)や休日労働では、それぞれ50%や35%などの割増率が適用される場合もあります。

残業は、1時間いくら?〈時給1300円の場合/月給20万円の場合〉

残業代は、基本給を時給換算したものではなく、通常の賃金に対して25%の割増が適用されます。〈時給1300円の場合〉と〈月給20万円の場合〉を例に、具体的な金額をみていきましょう。

〈時給1300円の場合〉

まず、時給1300円の場合、残業代は通常の賃金に対して25%の割増が適用されます。
したがって、残業1時間につき、1300円 × 1.25 = 1625円となります。

〈月給20万円の場合〉

月給20万円の場合、月の労働時間を160時間とすると、1時間あたりの賃金は20万円 ÷ 160時間 = 1250円です。残業代は1250円 × 1.25 = 1562.5円となります。

みなし残業代とは

みなし残業代とは、あらかじめ一定の時間分の残業代を固定で支払う制度です。
例えば20時間分の残業代が月給に含まれており、その時間内であれば追加の支払いはおこなわれません。そして、実際の残業時間がみなし時間を超えた場合、超過分の残業代を別途支払うという仕組みです。

現場の状況によって勤務時間を延長する可能性が高い接客業だけでなく、多くの企業が採用している制度で、ヘアメイクさんを雇う企業においても取り入れやすいといえるでしょう。

休日労働は、1時間いくら?〈時給1300円の場合/月給20万円の場合〉

休日労働は、通常の賃金に対して35%の割増率が適用されます。
残業代とは割増率が異なるので注意しましょう。

〈時給1300円の場合〉

時給1300円の場合、休日労働時の時給は1300円 × 1.35 = 1755円です。

〈月給20万円の場合〉

月給20万円の場合、1時間あたりの賃金は1250円で、休日労働時の時給は1250円 × 1.35 = 1687.5円となります。

法定の時間外の計算方法は?

法定労働時間内の労働には、通常の賃金が支払われます。

例えば、1日8時間、週40時間以内であれば、時給1300円や月給20万円などの基準賃金がそのまま適用される形です。
一方で、法定労働時間を超えた労働には、通常の賃金に対して25%の割増が適用されます。

仮に、時給1300円の場合、残業時の時給は1300円 × 1.25 = 1625円です。月給20万円の場合、1時間あたりの賃金は1250円で、残業時の時給は1250円 × 1.25 = 1562.5円となります。
そして、当日の午後10時~翌午前5時の時間に残業した場合は、深夜労働の計算が適用されるため、さらに25%割増をした50%が残業代となります。

フレックスタイム制とは

近年取り入れる企業も増えてきた「フレックスタイム制」とは、労働者が一定期間内で定められた労働時間を満たすことを前提に、始業と終業の時間を自由に設定できる制度です。

例えば、会社ごとに定められたコアタイムを基準とし、1日の労働時間を8時間としながらも、始業時間を早めたり遅らせたりすることが可能です。さらに、一ヶ月の定められた所定労働時間内で管理されるため、1日に8時間以上働いたり、週の労働時間が40時間を超過しても、残業代の対象にはなりません。
この制度は、ヘアメイクさんのように、現場によって勤務時間が変動する職種の雇用にも適しているでしょう。
また、フレックス制からさらにコアタイムをなくした「スーパーフレックス制」という制度もあります。

多数の従業員を抱える場合は「アウトソーシング」の活用も検討して

従来の給与計算は、社内に経理部を設けるなどして自社でおこなう体制をとっている企業が多くありました。しかし最近では、人事経理ソフトやアプリも多種多様になってきており、導入する企業が増えてきています。
特に、従業員数が多い場合や、他の業務に支障をきたす場合など、自社で計算が難しい場合はアウトソーシングの活用を検討してみましょう。

アウトソーシングとは、企業が自社の業務の一部を外部の専門業者に委託することです。これにより、コスト削減や業務効率の向上が図れます。ただし、金額が高ければよいというわけではありません。依頼先・依頼期間・依頼内容によって料金が異なるので、自社が求めている内容にあわせて、よく比較検討することをおすすめします。

いずれの方法でも、ただしく計算して、適正な給与を支払いましょう。

ヘアメイクの人件費、相場はいくら?

ヘアメイクの人件費の相場は、正社員・アルバイト・フリーランスなど、雇用形態によって賃金が異なります。
先述したとおり、月給制の正社員は、社会保険や年金など法定福利費用が別途かかります。
また、アルバイトは時給制で、労働時間に応じた賃金が支払われ、一定の条件を満たすと社会保険に加入しなければなりません。フリーランスは一回の業務につき報酬が支払われ、社会保険は自己負担です。このように、雇用形態によって企業としての支出が変動するため、人材採用後の給与と社会保険の負担も考慮しましょう。

以下は、関東におけるヘアメイクさんの人件費の相場です。

【雇用形態ごとの人件費一例(関東)】

雇用形態人件費例備考
正社員264,000円〜月給制・社会保険料がかかる
契約社員180,000円〜月給制・社会保険料がかかる
派遣社員1,500円〜月給制・派遣会社に支払う紹介料がかかる・雇用条件により社会保険料がかかることもある
パートタイム・アルバイト1,200円〜月給制・社会保険料がかかることもある
業務委託・フリーランス(スポット)15,000円〜日当・期間・歩合制など、現場ごとに異なる

※シャシンクエージェンシー調べ

参考サイト:職業情報提供サイト「jobtag
以下の記事では、ヘアメイクさんの雇用形態の特徴について詳しく解説しています。
→基礎知識は現在準備中です。

戦力になるまでの教育費

新たに雇用したヘアメイクさんを育てるには、教育コストがかかります。
自社の戦力になってもらうためには、技術や知識だけでなく、企業文化に慣れるための研修や、実務に即したトレーニングも必要です。

下記の内容をもとに、ヘアメイクさんを採用する際にかかる具体的なコストを事前に把握し、計画的な採用活動をおこないましょう。

オンボーディングにかかるコスト

オンボーディングにかかるコストとは、新入社員が職場にスムーズに馴染み、即戦力として活躍できるようにするための教育や研修にかかる費用を指します。
これには、業務内容の説明や現場での実地研修、チームとのコミュニケーションを深めるための活動が含まれます。早期退職を防ぎ、生産性を高めるために、このプロセスにかける時間と費用を惜しまないことが大切です。

内定者向けの研修

内定者がスムーズに業務できるようにするための研修やトレーニングにかかる費用として、内定者向けの研修費用を想定しましょう。

この研修では、業務内容の理解を深めたり、企業文化に馴染ませたりするために実施されることが多く、外部の講師や研修施設を使用することも多く、そのためのコストを事前に計算しておく必要があります。

未経験者の教育費用

未経験者を雇う場合、教育にかかるコストは高くなりがちです。
新卒採用の場合、企業は研修期間や実地訓練を充実させる必要があります。これにより、初期投資は大きくなりますが、長期的に企業の成長に寄与する人材を育てることにつながるでしょう。

例えば、「新卒1人あたりの採用コストはどれくらいなのか?」と考えた場合、研修期間・研修内容・必要な物品などは企業によって異なります。

その中でも、「該当する新卒が一人で稼働できるようになるまでの給与」や「教育係となる社員の研修の準備や実施時間」も教育費用とする場合、新卒は経験者よりもこのコストがかかるでしょう。

経験者の教育費用

ヘアメイクさんとしての経験がある人を採用する場合であっても、業務に必要なスキルや知識を強化するための教育費がかかります。

すでに基本的な技術を持っているため、未経験者に比べて研修期間は短く済みますが、自社のやり方に慣れてもらうための研修や指導が必要です。

未経験者同様に、「実際に稼働できるまでの給与」 や「教育係となる社員の研修の準備や実施時間」も教育費用として忘れないように計算しましょう。

社会保険や福利厚生の費用

法的な手続きは、従業員と企業双方の権利を守るために不可欠です。
特に、社会保険や福利厚生にかかるコストは、企業が新たに従業員を雇用する際に必ず発生します。

これには、健康保険、年金、雇用保険の企業負担分が含まれ、さらに交通費や住宅手当などの福利厚生も加わります。これらは、従業員の定着を促進し、働きやすい職場を提供するために重要な要素です。これらの作業には時間と費用がかかり、場合によっては弁護士や社会保険労務士に依頼することもあります。

外国人を雇う場合

近年では、外国人を雇う企業も増えてきました。
自社に貢献してくれる優秀なヘアメイクさんを求めた場合、外国人を雇用することも考えられるでしょう。
外国人の雇用については、就労ビザや在留資格の確認が必要になるなどのルールがあり、これらを怠ると法的リスクが発生するため、しっかりと手続きすることが求められます。

就労可能な外国人を雇用すること

外国人を雇用する際には、その外国人の在留資格を確認し、日本で合法的に働く資格を持っているか確認する必要があります。

特に、就労ビザの有無は、厳格にチェックしなければなりません。就労可能な在留資格がない外国人を雇用すると、法的なリスクが伴うため、適切な確認をするようにしましょう。

労働施策総合推進法とは

「労働施策総合推進法」は、外国人労働者の雇用管理や再就職援助を促進するために作られた法律であり、2020年4月1日付で改正されました。企業は外国人労働者に対して公平な雇用管理を提供しなければならず、労働条件や待遇に関する改善を義務付けられています。

参考:厚生労働省「労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!

【令和2年4月1日付改正内容】
○令和2年4月1日付改正について
 「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成5年法律第76号)の改正に伴い、当該内容(雇用形態または就業形態に関わらない公正な待遇の確保)を反映する改正を行いました。
(引用:「外国人の雇用」より)

外国人雇用状況の届出をすること

外国人労働者を雇用した際、または離職した際には、ハローワークに届出をおこなう必要があります。これを怠ると、企業は罰則が科されることがあるため、必ず遵守しましょう。なお、この届出は、インターネットからも可能です。

参考:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」「外国人の雇用」「外国人雇用状況の届出について

採用コストを減らす方法とは

採用担当者は、優秀なヘアメイクさんを採用したいと思いつつも、可能な限りコストを削減したいとお考えになるのではないでしょうか。
採用は、時間・お金・手間をかければかけるほどよい人材が集まるというわけではないため、的確に、効率的に進めることが大切です。

特に、無駄な費用がかかっていないかを見極め、採用活動の効率化を図ることで、無駄な出費が減らせます。例えば、求人広告の掲載費用や面接の交通費、教育・研修費用など、採用に関するコストは多岐にわたります。企業は、これらの費用を最適化しながら、質の高い人材を確保するためのバランスを見つけることが重要です。

以下にならってコスト削減を目指しましょう。

現在のコストを確認する

まずは、今現在、どこでどのようなコストがかかっているかを確認しましょう。
客観的な視点で確認するだけで、無駄が見つけられることもあります。

反対に、一部のコストに追加投資することで、よりよい結果が得られる場合もあります。
企業によっては、事業拡大や既存社員の離職などにより、採用活動を何度もする可能性があるでしょう。いちど決めた採用活動のルールやコスト計算はそのまま使い回さず、定期的に見直しをおこない、常に最適化できると理想的です。

採用方法を見直す

採用方法を見直すことで、コストを削減できる可能性もあります。
その際は、母集団形成を意識しましょう。

母集団形成とは

母集団形成とは、採用活動において、企業が求める条件にあう候補者を多く集めることです。
これにより、選考段階で多様な候補者から最適な人材を選ぶことが可能となるため、採用成功の可能性が高まります。

母集団形成を意識した採用活動をおこなうことで、コスト削減と効率的な採用が可能になります。そのためには、適切な求人媒体の選定やターゲット層へのアプローチが重要です。

ダイレクトリクルーティングを活用しよう

ダイレクトリクルーティングは、企業が直接候補者にアプローチする採用手法です。

これにより、採用ターゲット層にピンポイントでアプローチでき、求めるスキルや経験を持つ人材を効率的に見つけることが可能となります。

特に、ヘアメイクさんのような専門職においては、企業が求める条件に合致する人材を自ら見つけ出すことが採用の成功につながるでしょう。

リファラル採用を活用する

リファラル採用は、既存の従業員や取引先から紹介された候補者を採用する手法です。
信頼できる人からの推薦であるため、ミスマッチが少なく、スムーズに採用が進むことが多いといわれています。また、紹介者にインセンティブを設定することで、積極的に人材を紹介してもらえる環境づくりをするなど、他とは異なるアプローチもできます。この手法は、採用コストを抑えつつ、質の高い人材を確保するために有効です。

今回ご紹介した他にも、多くの求人媒体があります。
その中で、自社にあう方法、求める人材の目に留まる媒体で求人募集することが大切です。求人方法については以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
→現在準備中です。

内定辞退やミスマッチを減らす

せっかく手間隙時間をかけて採用しても、入社前にやめられてしまったり、すぐに退職してもらうことがあります。

内定辞退や早期退職によるミスマッチは、企業にとって大きなコスト負担となります。採用したヘアメイクさんがすぐにやめてしまうと、再び採用活動をおこなわなければなりません。このような事態を防ぐためには、採用プロセスの段階で求職者との期待のすり合わせをおこない、適切なマッチングを重視することが必要です。これにより、無駄なコストや時間を削減し、長期的な定着が期待できます。

エージェントや採用代行サービスを活用する

人材採用において、エージェントや採用代行サービスの活用は、コスト削減の一つの手段となります。

エージェントを利用すると手数料が発生するものの、自社で全ての採用活動をおこなうよりも採用活動の手間を軽減できて効率的かつ、専門的なサポートが受けられます。

特にヘアメイクさんのような専門職では、エージェントの持つ業界知識やネットワークを活用することもできるでしょう。

採用のリスクと注意点

採用活動には一定のリスクが伴うことを留意しておきましょう。

特に、採用が失敗した場合、それまでに投資した費用や時間が無駄になる可能性があります。また、採用期間が長引くことで業務に影響が出ることも考えられるでしょう。そのため、ヘアメイクさんを採用する際には、技術力・センス・コミュニケーション力など、求めているスキルを持った人材を見極めることが必要です。

人材採用は簡単なことではないですが、エージェントや採用代行サービスを利用して、リスクを最小限に抑えつつ、効率よく優秀な人材を確保しましょう。

活躍してくれるヘアメイクさんを採用するためには

雇い主として、ヘアメイクさんに求めることは「自身の技術とセンスを持って活躍してくれること」です。優秀なヘアメイクさんと出会うために、ここからご紹介する3つのポイントと7つの記事を参考にしてみてください。

求人媒体にこだわる

この記事でご説明したとおり、ヘアメイクさんを雇いたい場合、求人媒体の選定は重要です。「どんなヘアメイクさんを求めているか」に応じて、適切な求人媒体を選びましょう。

求人のタイミングはいつ?

採用活動には時間がかかります。
求人媒体の選定、面接、入社手続きに加え、戦力として稼働してもらうために研修が必要な場合も想定しておきましょう。

採用の流れ

採用活動をスムーズに進めるためには、事前に採用の流れを把握しておくことが重要です。トラブルを防ぐためにも役立ちます。

【採用までの流れ一例】

求人媒体を探す

募集をかける

書類審査をする

面接をする

採用通知を出す

入社の手続き

求人を出すときに企業が考慮すること

この記事でもご紹介したとおり、ヘアメイクさんを雇用したいときには、以下の3つの注意点を考慮することが重要です。
採用活動や雇用関係を結ぶ前に確認しておきましょう。

自社のために:「どんな人材がほしいのか」を明確にする

まずは企業にとってほしい人材像を明確にしましょう。
例えば、正社員か業務委託か、未経験可か経験重視かを決めるなど、自社が求める人材を明確にすることで、書類審査や面接の選考がしやすくなります。ブレることなくきちんと求める人材を採用することで、現場の仕事がスムーズに進行できるでしょう。

以下の記事では、優秀なヘアメイクを確保するために、採用活動でどのような点に気をつければよいのか、採用のポイントと注意点を解説しています。

従業員のために:勤務条件を明示する

勤務条件は、労働者が就業先を決定する際に非常に重要です。
基本的な給与・勤務地・仕事内容などの条件を明確にし、求人募集時に明記することで、労使で共通の認識を持つことができ、入社後のトラブルや不満を防ぐことにつながるでしょう。

以下の記事では、従業員と自社のために、ヘアメイクさんを採用するときの考慮点や注意点を解説しています。

従業員と自社のために:採用にかかる時間と、採用後の収入(費用)を明示する

この記事でご紹介したとおり、新しい人材の採用には費用と時間がかかります。
採用活動前に、企業にかかる負担や支出を明確にし、経営に支障が出ないようにしましょう。例えば、従業員にとっての収入となる「従業員に支払う給与」と、会社が負担する「見えない費用」を明確にしておく必要があります。

従業員と自社のために:受け入れ体制、働きやすい環境を整える

この記事でもご紹介したとおり、昨今、会社組織における福利厚生や技術手当、研修やハラスメント対策の体制を整え、充実させることが、一昔前に比べてより強く求められるようになってきました

従業員にとって働きやすい環境を整え、せっかく採用した人材が離れないようにすることが大切です。現場の仕事が円滑に進むように、労働環境づくりに取り組みましょう。

ヘアメイク採用には、エージェント利用の検討を

ヘアメイクアップアーティストを採用する際には、求人掲載費用や研修費、福利厚生の提供など、さまざまなコストが発生します。

特に、経験やスキルの有無、雇用形態などに応じて、これらの費用は大きく変動します。企業が計画的に採用活動を進めるためには、事前に全体的なコストを把握し、最適な採用方法を選択することが重要です。失敗を避けるために、エージェントの利用や、適切な研修体制を整えることで、優秀な人材を効率的に採用し、長期的な定着を目指しましょう。