ヘアメイクのギャラ、相場はいくら?高収入を目指す秘訣も解説

どのような仕事をする場合であっても、最初に確認すべき点は「収入」です。

特に、技術職であるヘアメイクアップアーティストは、勤務地やジャンルなどによって収入=ギャラが異なります。

この記事では、ヘアメイクアップアーティストとして活動している人やこれから仕事をしていきたい人のために、ヘアメイクの仕事の収入相場や高収入を目指すためのコツを解説します。

「収入額はどうやって決まるのか」「具体的にいくらもらえるのか」といったことを多角的な視点で把握し、ヘアメイクの仕事を選択するためにご参考にしてください。

ヘアメイクアップアーティストとは

ヘアメイクアップアーティスト(以下「ヘアメイクさん」という)とは、ヘアスタイリングとメイクアップを施す職業のことで、「ヘアメイクさん」と呼ばれます。

ヘアメイクさんの仕事は、クライアントが求めるイメージにあわせてヘアとメイクを仕上げることです。

そのジャンルは「芸能向け」と「一般向け」のふたつに分けられますが、いずれの場合も、メイクをする対象者のよさを引き出し、叶えたいイメージを実現することが重要なポイントとなります。

ヘアメイクアップアーティストの収入はどうやって決まるの?

ヘアメイクさんの収入は、業界用語で「ギャラ」とも呼ばれます。そしてその収入は、就職または就業する「地域」「ジャンル」「技術力」によって決まることが一般的です。自分が働く地域や活動していきたいジャンル、そして自分の技術力に対して、収入が見合っているかを確認していきましょう。

地域別の平均収入はいくら?

ヘアメイクさんの収入は、場所・拘束時間・メイクを施す対象の人数だけでなく、個人の経験や実力などの違いによっても変動します。

これらが組み合わさって収入額が決定しますので、自分の働く条件やスキルの平均値を把握することは非常に大切です。

まずは、地域別の平均収入を確認していきましょう。

厚生労働省が運営する職業情報サイト「jobtag」によると、ヘアメイクさんの全国の平均年収は「379.7万円」とされています。一般的に、各都道府県ごとの収入平均はどの仕事であっても首都圏の収入は高くなる傾向があり、これはヘアメイクの仕事においても同様です。特に、東京の平均収入は「438.5万円」と、全国の平均収入よりも高くなっています。しかしながら、都市部では高収入が期待できる一方で、地方では収入が低めになることが多いです。以下に首都圏を中心とした主要地域の平均収入をまとめましたので、参考にしてみてください。

【ヘアメイクアップアーティストの平均年収一例】

全国平均​379.7万円
東京438.5万円
埼玉341.9万円
千葉303万円
神奈川399.2万円
茨城314.2万円
栃木367.8万円
群馬300.8万円
山梨429.7万円
大阪371.4万円
北海道297.6万円
沖縄299.4万円

※職業情報サイト「jobtag」のデータを参考に作成しています

どんなジャンルの仕事をするか

ヘアメイクさんの仕事場は「現場」ともいわれます。そして、現場には「芸能向け」と「一般向け」があり、就職先としては以下のように振り分けられます。

芸能関係ヘアメイク事務所・TV・CM・映画・イベント・ファッションショーなど
一般人向け結婚式場・写真館・美容室・美容メーカーなど

芸能向けの現場は、主にTVや映画、雑誌の撮影などで、俳優やモデルのヘアセットやメイクアップを施します。一方、一般向けの現場では、結婚式場・写真館・美容室などでお客様に対してサービスを提供します。

このように、同じヘアメイクさんであっても、どのジャンルで活動するかによって収入が変わってくるため、自分の興味や得意分野を考慮して選びましょう。

以下に、ヘアメイクの就職先や業務委託先別の収入相場をまとめましたのでご参考にしてください。

【ヘアメイクの就職先・業務委託先別収入相場】

就職先・業務委託先収入相場(月収)収入相場(年収)
フリーランス0万円〜60万円0万円〜720万円
美容室18万円〜35万円216万円〜420万円
化粧品メーカー20万円〜40万円240万円〜480万円
ヘアメイク事務所12万円〜50万円144万円〜600万円
結婚式場20万円〜35万円240万円〜420万円
写真館18万円〜30万円216万円〜360万円

※シャシンクエージェンシー調べ

それぞれの現場の特徴は、以下の記事で紹介しています。
→現場の種類の記事は現在準備中です。

収入の査定となるのは「技術力」

ヘアメイクさんは技術職です。

そして、多くの技術職の収入は主に「資格の有無」「経験の多さ」「仕事のクオリティの高さ」によって決まります。ヘアメイクさんも同様にこれらの要素を意識しながらスキルを磨くことが、高収入を目指すための重要なポイントとなりますので、ひとつずつ確認していきましょう。

資格の有無

ヘアメイクさんの仕事において、国家資格を持っているかどうかは大きな判断基準となります。メイクアップを施すだけであれば特定の資格は不要ですが、髪を扱う仕事に従事する場合、理容師や美容師などの国家資格が必要です。特に、美容師免許は結髪とされるヘアセットの技術を証明するものとして認められていることから、ヘアメイクさんとしてより多くの仕事に対応できるため、収入アップにつながることが期待できます。

以下の記事でヘアメイクさんになるための情報をまとめていますので、資格についてよりくわしく知りたい人はぜひお読みください。
→ヘアメイクアップアーティストになるには?学び方と仕事の探し方の記事は現在準備中です。

経験の多さ

ヘアメイクさんの現場は、都度求められることが異なるため、そのときどきの状況にあった対応をすることが求められます。そのため、気遣い・発想力・臨機応変に対応する力と、ヘアメイクとして形にする技術力が必要です。これらは学校の座学を経た後、実践的な経験を積んで段々と養われていきます。そのため、経験の多さは技術力の向上だけでなく、信頼感を得ることにつながるのです。

例えば、過去の作品や仕事ぶりを知ったクライアントから依頼が入ることもあります。そのため、未経験の段階では、まずは現場での経験を積むことが重要です。多くの現場で経験を積み、スキルをあげて、高収入につながるチャンスを広げましょう。

以下の記事では、「未経験だけど、ヘアメイクさんとして働きたい」という人に向けた情報をまとめています。
→未経験でも働きたい!ヘアメイクアップアーティストの魅力の記事は現在準備中です。

センスやクオリティの高さ

ヘアメイクの仕事は技術職ですので、個人のセンスや仕事のクオリティの高さが重要です。また、高いセンスやクオリティを維持するだけでなく、どんどんアップデートしていくことが求められます。例えば、自身のポートフォリオを作成し、過去の作品や得意なスタイルなどをまとめておくことで、クライアントからの信頼や依頼につながることもあります。同様に、InstagramやPinterestなどのSNSで、自分の作品を投稿することも効果的です。自身の生み出す作品のビジュアルや世界観を発信することで、多くの人にスキルや技術力をアピールできるでしょう。このような工夫をすることが、結果的に給与やインセンティブが上がり、さらには働き方の選択肢も広がります。

以下の記事では、ヘアメイクさんの働き方や仕事をするうえでの考え方について解説しています。
→自分にあった“働き方”って?ヘアメイクとして働くうえで大切なことは現在準備中です。

コミュニケーション能力の高さ

ヘアメイクさんとして働くためには、コミュニケーション能力は欠かせません。

なぜならば、プロのヘアメイクさんには、クライアントやメイクの対象者のテーマや要望などを反映させたヘアメイクが求められるため、相手の意図を正確に理解して対応する必要があるからです。

そのための事前の打合せやヒアリングは非常に重要なポイントとなりますので、スムーズにコミュニケーションをとる能力は必須となります。

そして、ヘアメイクが必要なシチュエーションは、映像や写真の撮影、イベントなどが想定されます。これらの現場では、多くのスタッフと関わりを持つことが多いため、クライアントだけでなく、スタッフとも連携をとることが大切です。現場のスタッフとも良好な関係を築いたり、理解し合えるようにコミュニケーションをとることで、スムーズな進行を実現し、最終的に仕事のクオリティを高めることにもつながるでしょう。

また、コミュニケーション能力は、ヘアメイクさんにとって欠かせない人脈や信頼関係の構築にも影響します。信頼関係を築くことで、仕事が増え、結果として収入アップにもつながります。特に、フリーランスの場合は、仕事や顧客を獲得するための営業も自分でおこなわなくてはなりません。企業の担当者との信頼関係を築き、自分の存在を忘れないように連絡をとるなど、営業活動の一環としてコミュニケーション力が求められます。

このように、ヘアメイクさんにとって、コミュニケーション力もスキルのひとつです。ヘアメイクの技術とともに、コミュニケーション能力を磨き、より多くのチャンスを得られるようにしましょう。

ヘアメイクの仕事の探し方

ヘアメイクの仕事を探す際には、仕事内容を確認し、自分が納得できる収入を得ることが重要です。そのためには、複数の会社や現場の条件を比較検討することが必要となるでしょう。ここからは、代表的なヘアメイクの仕事の探し方をご紹介します。

求人サイトで応募する

ヘアメイクの求人を探すには、一般的に転職などで活用されている求人サイトや、美容師専門の求人サイトを活用するのが効果的です。

これらのサイトは、収入や勤務地などの条件で絞り込み検索ができ、自分にあった職場を見つけやすく、一般向けの美容室や結婚式場などの現場を探すのに適しています。

一方、芸能関係の仕事を探す場合は、ヘアメイクさんが所属する事務所の求人情報をチェックしてみましょう。特に、芸能事務所やTV局と提携している事務所の求人情報を掲載している専門サイトがおすすめです。

求人検索をする際は、地域やジャンルの相場を確認し、自分が納得できる収入を得られるかをきちんと確認しましょう。

知人に紹介してもらう

ヘアメイクの仕事は、人脈を通じて情報を得ることが多いです。

特に、同業者との交流やイベントへの参加を通じて、さまざまな人と知り合うことで、仕事のチャンスが広がります。

例えば、知り合いや学校の先生、同僚、さらにはカメラマンやファッションスタイリストから仕事を紹介してもらうこともあります。そのため、普段から「ヘアメイクの仕事をしている」「ヘアメイクの仕事がしたい」と発信し、SNSなどで過去作品を投稿することで、スキルやセンスを多くの人に知ってもらえるきっかけとなるでしょう。こういった積み重ねにより、知人からの紹介で仕事を得ることにつながります。

ただし、知人からの紹介の場合であっても、気をつけなればならないことがあります。例えば、知り合いだからこそ具体的な収入や報酬金額を確認しづらかったり、納得のいかない金額で依頼を受けてしまうことです。

紹介者と知り合いだからといって、報酬を妥協する必要はありません。きちんと意向を伝えたり、話し合いをして、納得のいく報酬を得ましょう。特にはじめての取引の場合は、具体的な条件や報酬についての書面を交わしておくと、後々のトラブルを避けることにつながります。どうしても切り出しにくい場合は、その地域やジャンルのヘアメイクの報酬相場を提示すると具体的な金額を伝えやすくなります。

公私ともに末永い信頼関係を築くためにも、最初から透明性のある取引を心がけるようにしましょう。

ヘアメイクの収入を把握し、キャリアを築こう

ヘアメイクアップアーティストとして働く際には、収入の相場や、高収入を目指すためのポイントを把握することが重要です。収入は、地域・ジャンル・技術力などによって大きく変わります。また、資格の有無や経験の多さ、仕事のクオリティやコミュニケーション能力も収入に影響することを理解し、自分のスキルを磨きましょう。あなたにとってよりよい就職先を見つけ、満足のいくキャリアが築けることを祈っています。